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漢方Q &A  その5 〜湿邪って何?〜

2023.05.30

 京都地方は、昨日梅雨入りしました。5月中に梅雨入りは、流石に早いですね。

 日本列島は、海に囲まれている島国で湿気に絶えず晒されていると言っても過言ではありません。その上、太平洋高気圧が強くなりだす梅雨の頃から9月中旬ぐらいまで、ジメジメした不快な気候が続きます。 

 そこで、湿邪とは病気の外因(風・寒・暑・湿・燥・火)の一つです。つまり、外部から身体がこれらの外因が侵襲して病気を発症すると考えです。

 それでは、湿邪はどの様な特徴があり、何に気をつければ良いのでしょう?

 湿は、重くまとわりついて濁っているというイメージがあります。重いという感覚のある症状は、まず湿の影響を考えます。したがって、頭や体が重いや四肢が重だるいなどの兆候が見られます。また、水が順調に流れていれば、清らかで透明ですが流れが悪くなり淀むと汚くなり濁ることから、排泄物や分泌物が汚く濁っている場合、湿邪の影響が考えられます。

 また、まとわりついて粘るイメージから、排泄物や分泌物が粘ってべとついたり、スムーズに排泄分泌出来ないような症状は湿邪の可能性があります。したがって、大便のキレが悪いとか何度トイレットペーパーで拭いても拭き切れないと言ったこともあります。

 さらに、湿は下降しやすく下部を侵襲します。湿邪は、下部の方に侵襲しやすく下半身が浮腫みやすいなどの兆候が現れます。

 そして、湿は燥を好み湿を脾を悪む性質があり、冷たい飲食物の取りすぎによって脾の機能を損ない、食欲不振・腹満・下痢軟便などにつながります。胃腸風邪や夏風邪は、多くが脾の失調によるものが多いと言えます。

 それでは、薬膳の面で見ていきますと、湿を除いて水を捌く作用のある食材を積極的に摂る様にしましょう。ハトムギは、生薬名を薏苡仁と言いますが、ハトムギを炒ってお茶にするのも良いでしょう。豆類は全般的に同じような働きがあります。また、とうもろこしも同じくです。その他、スイカや冬瓜やキュウリなどウリ科の食材も水を捌く作用に長けています。さらに、苦味は燥湿作用があるのでこちらも積極的に摂る様にしましょう。例えば、ゴーヤやピーマンなど。

 反対に、気をつけたい食材としてはまずはチーズ。それから胃に負担をかける揚げ物や油物。甘い物特に洋菓子は、注意したいところです。また、先ほども出て来ましたが冷たい飲食物も控えた方が賢明です。特に、胃が重いと感じるなら、これらの物を食べた後だったりします。

 今日の写真は、「藿香正気散」という漢方薬。湿邪に侵され脾の運化が損なわれた時によく効きます。医療用には無いので、私どもの様な相談薬局でしか購入出来ないのが強味です。

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